空気を伝う音と、固体を伝う音


先日お受けしたご相談は大変難しいものでした。「マンションの部屋でドラムを練習したいのだが、防音室など作る予算はない。窓の防音工事をすれば大丈夫か?」というご相談内容でした。何をもって大丈夫か?とするかにもよりますが、常識的に考えて「難しいです。というより無理と申し上げたほうがよろしいかと・・・」といった主旨のお返事をさせて頂きました。

”楽器と防音”の項でも述べましたが、音の伝わり方は、空気伝播固体伝播と大きく2つに分けられます。音の出入りが激しい「窓」というものに防音遮音対策工事を施せば、その窓から出入りする空気伝播音はかなり軽減されます。ただし、いくら窓の防音対策を講じたからといって、壁や天井や床を伝わる音はまったく軽減されません。

ドラムの件をご相談頂いた方の事例は、まさしくこれに当り、ドラムという楽器は建物のコンクリートを伝ってお隣、上下、斜め方向のお宅にまで音が侵入していきます。それでも「どうにかならんか。なんとかして欲しい。アイデアを出してくれ。」と仰られるので、まずは窓の防音工事をお引き受けさせて頂きました。それから、私共では責任をもった施工が出来ませんのでDIYで、自己責任でお願いします、・・・との前置きをさせて頂いた上で、一般の方にでも出来そうな簡易的な防音工事のアドバイスをさせて頂きました。

平たく言いますと、市販の吸音材を壁、天井に両面テープですき間なく貼り付け、床にも吸音材を敷き詰め、ドラムの下には防振ゴムを敷く、というものです。さっそくこのお客様は、ホームセンターや通販で材料を仕入れ、トライなさったようです。後日メールでその後のご様子をお知らせ頂く機会がありましたが、なんと「かなり調子がいい。まったく問題ないです。」と書かれておりました・・・・・